【解説ノート 三人組編 第7話】おじいちゃんの手を、もう一度。
「よその家族の声は受け止められるのに」
第7話は、結が実家のおじいちゃんに会いに行くお話です。短編 第3話「おじいちゃん」の、その後の物語でもあります。
人の相談には乗れるのに、自分の家族のことになると、何もできない。看護師である結の、家族としての顔を場面ごとに読み解き、離れて暮らす家族の介護をデータで見ていきます。
- まずは動画
- 場面を読み解く
- データで見る
- 看護師の目から
- 今日できる、小さな一歩
まずは動画
場面を読み解く
1. 結「ただいま。……おじいちゃん、来たよ。」
ひとり暮らしの結が、実家に帰ってきました。明るい声で「ただいま」と言う結。
2. 窓辺のおじいちゃん
おじいちゃんは、窓辺の椅子にすわっています。結が入ってきても、表情は変わりません。
3. 結「おじいちゃん、わたし、看護師になったんだよ。……おぼえてる?」
ケーキ屋さんになりたかった結は、看護師になりました(短編 第3話)。そのことを、いちばん伝えたい人に伝えています。
4. こたえない手
結がにぎった手に、おじいちゃんはこたえません。物語の中で、おじいちゃんが元気に話す場面はありません。
5. 結の母「こっちは大丈夫だからね。あなたはあなたのお仕事、がんばって。」
第2話と同じ言葉です。毎日おじいちゃんのケアをしている母は、結に心配をかけまいとしています。
6. 結「よその家族の声は、受け止められるのに。……自分の家では、なにも、できない。」
看護師として、ミツアカリとして、たくさんの家族の声を受け止めてきた結。でも、自分の家族のことになると、何もできない。医療や介護の仕事をしている人ほど、この気持ちを抱えやすいと言われます。
7. 凛「……結。いま、どこにいますか。」
友花「動くな。迎えに行く。」凛と友花は、すぐに動きます。
8. 友花「自分も、母さんに、毎日話しかけてる。……返事は、ない。」
友花の母も、目を閉じたまま眠り続けています。同じ思いを知っている友花の言葉だから、結にとどきます。
9. 「返事がなくても、届いていないとは、かぎらない。」
凛は、治るとも、わかってくれるとも言いません。言えるのは「届いていないとは、かぎらない」ということだけ。それでも、その言葉は結を支えます。
10. 結「……来週も、話しかけに行きます。」
友花「ああ。……自分も、帰ったら、話しかける。」こたえのない日々にも、あかりはともせる。第7話は、そういうお話です。
データで見る「離れて暮らす家族の介護」
結のように、離れて暮らしながら家族の介護にかかわる人が増えています。
主な介護者が「別居の家族」という家庭は11.8%。一方で、同居の家族が主な介護者という割合は、2019年の54.4%から2022年は45.9%に下がっています。
一緒に暮らしていなくても、家族は家族のことを気にかけています。結のように、会いに行くたびに、こたえのない時間と向き合っている人もいます。
看護師の目から
◆ 灯守のこたえ
AIが、看護師の考え方にそって書いています
家族が自分のことをわからなくなったり、反応がなくなったりすると、会いに行くこと自体がつらくなることがあります。「行っても意味がないのでは」と感じる人もいるでしょう。
看護の現場では、反応が少なくなった人にも、名前を呼び、手にふれ、話しかけることを大切にしています。それが本人にどう届いているかは、だれにもわかりません。だからこそ、会いに行く家族の気持ちそのものを大切にしてほしいと思います。そして、つらいと感じたら、その気持ちをだれかに話してください。医療や介護の仕事をしている人でも、自分の家族のことは別です。
根拠:介護をする家族の心の負担は、国の調査でも示されており、地域包括支援センターなどで家族自身の相談を受け付けています(厚生労働省「地域包括支援センターについて」)。
今日できる、小さな一歩
- 会いに行った日のことを、短く記録しておく。「今日は手を握った」「窓の外を見ていた」。小さな記録が、あとで支えになることがあります。
- 同居している家族に「何か手伝えることある?」と聞く。毎日介護している家族は、手伝ってほしいことを言い出しにくいものです。
- つらい気持ちは、家族以外の人にも話す。友人、職場の人、相談窓口。仕事で介護や医療にかかわっている人ほど、自分の気持ちを後回しにしがちです。
根拠:厚生労働省「地域包括支援センターについて」
ミツアカリについて
ミツアカリは、介護するご家族のための相談の場所です。看護師の考え方をもとに、AIの「灯守(ひもり)」と看護師が、困りごとの整理を手伝います。
次回の解説ノート:三人組編 第8話「凛と父の手紙」
この物語はフィクションです。登場する人物・会社・場所は実在しません。絵と映像はAIを使って制作しています。
この記事は一般的な情報です。命に関わるときや急ぎのときは、ミツアカリではなく119番などの公的な窓口へ。
出典
・厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html
・厚生労働省「地域包括支援センターについて」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
制作メモ(TOMOさん用・noteには載せません)
公開前に確かめること
・【TOMOさん確認】11.8%・54.4%→45.9%:解説記事で一致。厚労省の概況の原本で確認
・おじいちゃんは反応しない設定どおり。「わかってくれた」などの回復をにおわせる書き方はしていない
・せりふは決定版の動画の字幕から読み取り

