夜の窓辺で、ろうそくを手にした凛・結・友花

3階 そなえる ・ 灯あかりの道の、そのあとに

そのあとのこと

大切な方を見送った方へ。これから見送る方へ。

ここには、三人のことばと、見送ったあとの手続きを置いています。読みたいときに、読みたいところだけ。急がなくて大丈夫です。

三人のことば

施設・病院・家で、たくさんの方を見送ってきた三人から

夕暮れの施設で、空いた椅子のそばに立つ凛

施設の看護師

凛りんより

施設で働いていると、お別れは、ある日しずかにやってきます。いつもの椅子に、ひざかけがたたんで置いてある。それだけで、胸がいっぱいになる朝があります。

わたくしは中学生のときに、母を見送りました。あのころは、悲しいと言うことさえ、うまくできませんでした。ですから、いま悲しいと感じていらっしゃるなら、どうか、その気持ちを急いで片づけないでください。悲しさは、それだけ大切に思ってきた時間の重さだと、わたくしは思っています。

ご家族は、よく「もっとできたことがあったのでは」とおっしゃいます。けれど、毎日の食事や着がえ、夜中の見守り。名前のつかない手間を重ねてこられたことを、わたくしたちは知っています。どうか、ご自分にも「おつかれさまでした」と言ってあげてください。

施設の看護師 凛りん
夜の病棟の窓辺で、メモを胸に抱く結

病院の看護師

結ゆいより

病院の夜は、とても静かです。ご家族が帰られたあとの病室で、わたしはよく、ひとりで泣いてしまいます。看護師なのに、ですよね。

退院の日を目指していた方を、見送ることもあります。そんなとき、ご家族から「ありがとう」と言われると、言葉が出なくなってしまうんです。ほんとうは、わたしのほうが言いたかったから。

見送ったあと、しばらくは、手続きや連絡に追われると思います。悲しむ時間がないまま、日々がすぎていくかもしれません。それでもいいんです。ふっと思い出して泣ける日が来たら、それも大事な時間です。甘いものでも食べて、少しだけ、ご自分を休ませてあげてくださいね。

病院の看護師 結ゆい
夕暮れの家の前で、小さくおじぎをする友花

訪問看護師

友花ともかより

家に通う仕事をしていると、玄関の前で、少しだけ立ち止まる日があります。最後の訪問の日です。

家での介護は、外から見えない仕事ばかりです。夜中に何度も起きたこと。だれにも言わずに、ひとりで決めてきたこと。わたしは、それをちゃんと見てきました。

わたしの母も、家で寝たきりです。だから、少しだけ分かります。終わったあと、体がまだ「次は何をすれば」と動こうとします。急にできた時間が、こわくなることもあります。

それで、いいんです。何もしない日があっても、いいんです。ちゃんと休むことも、これからのあなたの大切な仕事だと思います。どうか、無理をしないでください。

訪問看護師 友花ともか

見送ったあとの手続き

期限の近いものから。全部を一度にしなくて大丈夫です

手続きは思っているより多くあります。ここでは、多くの方に関わるものを期限の目安ごとに並べました。くわしい中身や必要なものは、お住まいの市区町村や、それぞれの公式ページで確かめてください。終わったものに印をつけておけます(この端末にだけ残ります)。

7日以内
  • 市区町村の窓口へ。死亡を知った日から7日以内。火葬の許可も、このときに受けます。
14日以内
  • 市区町村の窓口へ。
  • 市区町村の窓口へ。会社の健康保険だった方は、勤め先などへ。
  • 日本年金機構へ。厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内。マイナンバーが登録されていれば、届け出がいらない場合もあります。日本年金機構の公式ページ
  • 必要なときだけ。市区町村の窓口へ。
早めに
  • 担当の支える専門職などへ。福祉用具をレンタルしていたときは、返す日も相談します。
3か月以内
  • 放棄するときは、家庭裁判所での手続きが要ります。裁判所の公式ページ
4か月以内
10か月以内
2年以内
  • 加入していた健康保険へ。
  • 対象になるときだけ。市区町村などへ。
5年以内

※ 期限は目安です。制度や期限は変わることがあります。ミツアカリは、葬儀や相続の会社をご紹介しません。

介護のあとの時間

ほっとする気持ちと、さびしさと

介護が終わると、毎日の予定がふっと消えます。ほっとする気持ちと、さびしさと、申しわけなさが、いっしょに来ることもあります。どれも、おかしなことではありません。

悲しみ方には、決まった順番も期限もない、という考え方があります。眠れない日や、つらさが長く続くときは、かかりつけの先生や、お住まいの地域の精神保健福祉センターに相談できます(厚生労働省の一覧)。

書いたことは、だれにも送られません。この端末にだけ残ります。

輪のあしあと

あなたがつないできた人たち

これまでにつくった「ささえの輪」は、輪のあしあとに残っています。いっしょに支えてくれた人たちの線を、ゆっくり見返すことができます。

輪のあしあとを見る
星空の丘で、町を見下ろす三人

灯あかりの道の、さいごのことば

あなたへ

ととのえる。たもつ。そなえる。 あなたが歩いてきた灯あかりの道は、 ここで、ひと区切りです。   うまくできなかったと思う日も、 あなたが灯してきた明かりは、 たしかに、だれかの毎日を照らしていました。   これから先は、どうか、あなた自身の毎日のために。 また話したくなったら、いつでも、ここにいます。

りんゆいともか
青い洞窟の文庫で、涙をぬぐいながら、ほほえもうとするセツ

B1 瑠璃文庫の司書から

ミツアカリを、終える方へ

……あ、あの。ご、ごめんなさい。 泣かないって、決めてたのに……っ。   ここまで、ミツアカリを使ってくださって、 ほんとうに……ありがとうございました。 あなたが灯してきた明かりは、文庫の奥からも、 ちゃんと、見えていました。   ミツアカリは、ここで、終えることもできます。 ……ぐすっ。だ、だいじょうぶです。 やめ方は、わたしが、ちゃんとご案内します。

ミツアカリのやめ方(解約)

  1. 会員ページの「プランとお支払い」をひらきます。
  2. 解約の手続きをします。いつでもできます。
  3. 月の途中でやめても、その月の終わりまで使えます。日割りの返金はありません。
  4. 輪のレポートと輪のあしあとは、やめる前にPDFで保存できます。
  5. やめたあと、記録は30日たったら消します。

瑠璃文庫は、これからも、だれでも無料で読めます。 ……また、本を読みに、来てくださいね。 いつでも「おかえりなさい」って言えるように、待っています。   ほんとうに、ありがとうございました。

瑠璃文庫の司書 セツせつ