夜ふけの小さな家、一階の窓だけが灯る

灯あかりのそばで

第六話 ふたりきりの家

寝たきりの妻を、ひとりで支えつづけた夫の話

この家には、ふたりきり。

左へめくって読みます →
点線のことばは、さわると説明が出ます

夜中に妻の枕を直す道夫

午前三時。妻の和子が寝たきりになって、三年。

目は、ずっと閉じたままだ。

台所でめまいにひざをつく道夫

急に、床がまわった。

……大丈夫だ。ちょっと、めまいがしただけだ。

朝、ふるえる手でおかゆを作る道夫

朝。おかゆを作る手が、ふるえていた。

夜、妻の手をにぎってうつむく道夫

わしが倒れたら、和子は、どうなる。

この場面、どう感じましたか?

玄関で祖父のおでこのあざに気づく孫の大翔

孫・大翔じいちゃん、そのおでこ、どうしたの!?

孫のパーカーだけが、色をもっていた。

大翔がスマホの画面を見せる

孫・大翔ここ、夜でも相談できるんだって。おれが打つから

道夫……機械は、わからん

道夫の言葉を、大翔が打ちこむ

ミツアカリ 灯守へのご相談

(孫が代わりに打っています)七十七歳です。寝たきりの妻を、ひとりで介護しています。夜も眠れず、ゆうべ、めまいで倒れました。でも、妻のそばを離れられません。

相談を読んで、心を決める凛

灯ヶ丘。

凛休むことは、逃げることじゃありません

毛布を胸にかかえる結

月見台。

結今夜、だれかがそばにいられたら……

ガレージで静かにスマホを見る友花

友花うちの父さんも、同じこと言うんだ。ちょっと、めまいがしただけだって

◆ 灯守のこたえ

ご相談ありがとうございます。長いあいだ、ひとりで奥さまを支えてこられたのですね。

休むことは、逃げることではありません。道夫さんが倒れてしまったら、奥さまも困ってしまいます。めまいがあったことは、早めにかかりつけ医に伝えて、体を診てもらってください。

そして、担当のケアマネジャー(いなければ、地域包括支援センター)に、夜に休めるよう手伝ってもらえることがないか、相談してみてください。

AIが、看護師の考え方にそって書いています。病気の診断や、お薬の判断はしていません。

このお返事、どう感じましたか?

診療所で血圧を測ってもらう道夫

先生よく来てくれました。道夫さんの体も、大事な体ですよ

孫・大翔ほらね、じいちゃん

ケアマネと一週間の予定を書く道夫

ケアマネ夜に来てもらえる人、昼に休める時間。いっしょに組み立てましょう

訪問看護師が和子の枕を直す

看護師さん和子さん、今夜は、わたしたちもいますからね

となりの部屋でぐっすり眠る道夫

その夜。道夫は、となりの部屋で、横になった。

朝日のなかで起きて、のびをする道夫

……朝か。

ひさしぶりに、朝まで眠れた。

妻の髪をとかしながら話しかける道夫

道夫和子。今日は、いい天気だぞ

台所で孫と料理をして笑う道夫

孫・大翔じいちゃん、卵、わるの、むずい!

道夫ははは、殻が入っとる

近所の人が柿を持ってきてくれた

ご近所さん道夫さん、柿、たくさんなったから

ずっと、だれかが気にかけてくれていたのだと、知った。

庭でお茶を飲んで日なたぼっこする道夫

ヘルパーさんがいるあいだ、庭でお茶を飲む。

休むのも、和子のそばにいるためだ。

いちょう並木の公園を、車いすの妻と歩く

道夫和子。いちょうが、まっ黄色だぞ

妻の顔に、やわらかな日がさしていた。

読みおえて、いまの気持ちは?

道夫さんの
ささえの輪

道夫さんは「自分が倒れるわけにはいかない」と、ひとりで夜を越えていました。休むための線が、孫から、医師へ、ケアマネへとつながりました。

この話でつながったまだ線がない

あなたのまわりには、どんな線がありますか。ミツアカリのホームページで、あなたのささえの輪もつくれます。

あなたの第六話

おした気持ちのスタンプ0こ

    この物語を、どこで知りましたか?

    スタンプと「どこで知ったか」は、名前を出さずに集めて、よりよい物語と相談のしくみづくりに使います。病気や体のことはおたずねしません。いまは、このスマホの中にだけ残ります。物語はフィクションです。絵はAIで描いています。

    ステンドグラスのある、ミツアカリの灯りの家

    ミツアカリの家へ

    道夫さんが相談した「ミツアカリ」は、ホームページの中の三階建ての家です。1階はだれでも無料。ささえの輪をつくったり、物語の続きを読んだりできます。玄関で登録すると、2階で灯守に、3階で看護師に相談できます。