灯のそばで
第四話 仕事をやめる前に
父の介護とお金のことを、ひとりで計算していた、ある家族の話父が倒れて、半年。
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点線のことばは、さわると説明が出ます

毎晩、同じ計算をくりかえした。
介護に、いったい、いくらかかるんだろう。

父・修……すまんな
ネクタイをしめたまま、父の背中をささえた。

机の引き出しに、ずっと入れたままの封筒。
仕事をやめれば、父のそばにいられる。でも、そのあとは?

ベランダから見えるのは、暗い駐車場だけだった。
この場面、どう感じましたか?

姉・美和拓也! またひとりで抱えてるでしょ
画面の中の姉だけが、色をもっていた。

姉・美和ここ、お金のことも相談できるって。夜でも、文字で

ミツアカリ 灯守へのご相談
父の介護に、いくらかかるのか分かりません。仕事もやめられません。でも、このままでは続けられない気がします。

月見台。
結お父さまの介護と、お金のことで……

灯ヶ丘。
凛お金のことは、わたしたちも、くわしくは……

ミチここは、ミチの出番です
凛わたしたちは、決めない。でも、ひとりで決めさせない
◆ 灯守のこたえ
ご相談ありがとうございます。介護のお金は、ひとりで計算しなくて大丈夫です。使えるしくみは、思っているよりあります。
まずは、お住まいの市区町村の介護保険の窓口や地域包括支援センターで、毎月いくらかかりそうか、いっしょに数字を書いてもらいましょう。
仕事をやめる前に、勤め先の人事や総務にも相談してみてください。介護休業や介護休暇という制度があります。
AIが、看護師の考え方にそって書いています。お金のことは、窓口で最新の情報を確かめてください。
このお返事、どう感じましたか?

次の日。市役所の、介護保険の窓口へ行った。
窓口の人いっしょに、ひとつずつ書いてみましょう

ぼんやりした不安が、紙の上で、数字になっていった。
知らなかった。こんなしくみがあったなんて。

人事の人やめる前に、話してくれてよかった。介護休業、使えますよ

会社を出て、大きく息をはいた。
街路樹が、こんな色をしていたなんて。

父・修行ってくるぞ。……おまえも、しっかりやれよ
拓也うん。行ってらっしゃい

同僚先輩、最近、いい顔してますね
仕事を、手ばなさずにすんだ。

父・修でな、そのとき、母さんがな
父の昔話を、ひさしぶりに最後まで聞いた。

姉・美和来たよー! 今日は、わたしが作るからね

姉・美和わたしの分も、ここに書いて
拓也うん。ふたりで、だね

知らないことは、恥ずかしくなかった。
いっしょに、知ればよかったんだ。
読みおえて、いまの気持ちは?
拓也さんの
ささえの輪
拓也さんは、介護のお金も、仕事をやめるかどうかも、ひとりで決めようとしていました。数字をいっしょに書いてくれる人が、思っていたより近くにいました。
あなたのまわりには、どんな線がありますか。ミツアカリのホームページで、あなたのささえの輪もつくれます。
あなたの第四話
おした気持ちのスタンプ0こ
この物語を、どこで知りましたか?
スタンプと「どこで知ったか」は、名前を出さずに集めて、よりよい物語と相談のしくみづくりに使います。病気や体のことはおたずねしません。いまは、このスマホの中にだけ残ります。物語はフィクションです。絵はAIで描いています。

ミツアカリの家へ
拓也さんが相談した「ミツアカリ」は、ホームページの中の三階建ての家です。1階はだれでも無料。ささえの輪をつくったり、物語の続きを読んだりできます。玄関で登録すると、2階で灯守に、3階で看護師に相談できます。