灯のそばで
第一話 夜の台所から
ミツアカリの「はじめてのご相談」を送った、ある家族の話午前二時。この家で灯りがついているのは、台所だけ。
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点線のことばは、さわると説明が出ます

母の声まゆみ……まゆみ……
今夜も、これで三回目。

母・トシ帰らなきゃ。うちに、帰らなきゃ
真由美お母さん、ここがうちだよ。……ね、寝よう

眠れないまま、朝が来る。
窓の外は、何も見えない。

上司早瀬さん、顔色悪いよ。大丈夫?
真由美大丈夫です。ちょっと寝不足で
……言えない。

真由美もう! なんで……!
……ごめん。お母さんのせいじゃ、ないのに。

だれにも、言えない。
言ったら、こぼれてしまいそうで。
この場面、どう感じましたか?

息子・翔太母さん、また起きてたの?
いつもは無口な、息子の声だった。

翔太ココア。……ばあちゃんのこと、ひとりで抱えなくていいよ
……あったかい。

翔太これ、見たんだ。夜でも、文字で相談できるところ
スマホの中にだけ、色があった。

ミツアカリ 灯守へのご相談
母の介護をしています。夜中に何度も起こされて、だれにも言えませんでした。仕事も休めなくて、昨日は母に強く言ってしまいました。どうしたらいいのか、わかりません。

同じころ。月見台。
結来ました。はじめてのご相談です

灯ヶ丘。
凛答えを配るんじゃない。その夜に、そっと灯をともすの

友花わかる。夜がいちばん、長いんだ
結治るとも、効くとも書かない。でも、ひとりにはしない
友花それでいい。送ろう

夜明け。
スマホが、小さく光った。

ここまでひとりで、よく頑張ってこられましたね。
……その一行で、涙が止まらなくなった。
◆ 灯守のこたえ
ご相談ありがとうございます。ここまでひとりで、よく頑張ってこられましたね。強く言ってしまった夜があっても、それはあなたが悪いからではありません。
夜のことは、ひとりで抱えなくていいことです。お母さまのお住まいの地域の「地域包括支援センター」に、夜の様子をそのまま話してみてください。いつ、何回起きたかを短くメモしておくと、伝えやすくなります。
眠れない夜は、またここに書いてください。明日の夜も、待っています。
AIが、看護師の考え方にそって書いています。病気の診断や、お薬の判断はしていません。
このお返事、どう感じましたか?

真由美お母さん、おはよう。今日は、いい天気だね
母・トシほんとねえ
話しかけると、母の顔にも、色がさした。

真由美実は……母の介護をしています
上司話してくれて、ありがとう。働き方、いっしょに考えよう

地域包括支援センターから、ケアマネジャーの山吹さんが来てくれた。
山吹さん夜のこと、教えてください。メモ、とってくれてたんですね

夜は、今も来る。
真由美だいじょうぶ。ここにいるよ
でも、もう、ひとりの夜じゃない。

街に、こんなに色があったことを、思い出した。
母・トシきれいねえ
読みおえて、いまの気持ちは?
真由美さんの
ささえの輪
夜の台所では、だれとも線がありませんでした。翔太さんのひと言から、線が一本ずつつながり、胸の灯が大きくなっていきました。
あなたのまわりには、どんな線がありますか。ミツアカリのホームページで、あなたのささえの輪もつくれます。
あなたの第一話
おした気持ちのスタンプ0こ
この物語を、どこで知りましたか?
スタンプと「どこで知ったか」は、名前を出さずに集めて、よりよい物語と相談のしくみづくりに使います。病気や体のことはおたずねしません。いまは、このスマホの中にだけ残ります。物語はフィクションです。絵はAIで描いています。

ミツアカリの家へ
真由美さんが相談した「ミツアカリ」は、ホームページの中の三階建ての家です。1階はだれでも無料。ささえの輪をつくったり、物語の続きを読んだりできます。玄関で登録すると、2階で灯守に、3階で看護師に相談できます。